配達の準備をする榊会員と仲間
スーパーマーケットでの仕事が終了し、ハローワークへ行こうと思いながらも、「この年齢では簡単に職は見つからないだろう」と思い、職探しもせずにいた或る時、友達から「元気なうちは何かしないと!」と、勧められたのが「シルバー人材センター」でした。
シルバー人材センターの事は何も知らないまま「新入会員説明会」に出席しました。それが平成23年12月のことです。入会後間もなく「家事援助」で紹介を受けながら、家での事情で丁度都合が悪く、就業出来なかったのです。「まあ、未だ入会して日が浅いからそのうち何かあるでしょう」と連絡を待っていました。
今年1月末、「配食」への紹介連絡を受けたのです。「新入会員研修会」で、23年度の西区の配食班は自動車事故が多く、殊の外、配食班については「安全就業」の指導が厳しい事は承知していましたが、OKの返事をして2月1日から就業することになりました。
それまで、あまり気にしていなかった西区の風景に、配食により感動したのです。
西区の配食地域は室見川から糸島半島まであるのです。配食就業は最初の1か月は、地理勉強等で運転させていただけません。もっぱら弁当配達です。ですから、走行中は助手席で周りを眺めます。しかし、今津の浜から糸島海岸の美しい風景は実に新鮮でした。
配食している中で、お客様の様々な状態や、言葉を交わすことがあまりないお客様が気にかかり、声を掛けられないもどかしさの日々が続いていました。
或る日思い切って、班長や配食担当に「お客様の方々に手紙を一緒に渡したいが」と相談しました。快く了解を得ましたので、自分が配達している方全員に手紙を渡しました。手紙と言っても「短い言葉」です。
「あわてず ゆっくりね。待っているよ玄関前で。ピンポン ピンポンでね」
今はにっこりしながら玄関へ出てみえるようになりました。
「また会えた あなたのお声と、わらいがお」
今では「ありがとう」と門の外まで見送りに出てみえます。
「高齢者やからだの不自由な方と、通じ合える喜びを感じています」と、配食班に入った喜びを語る榊優子会員です。