沖縄や奄美地方は梅雨が明けたが、福岡地方は今日も雨模様です。
水害を出すほどの集中豪雨は困りますが、この雨は田畑を潤し、ダムを満たす恵みの雨です。その小雨の中で神社に続く石段に箒を掛けておられたのが品川さんです。
そこは、日本三大愛宕とも言われている「愛宕神社」です。
愛宕神社では10数年前から、神社内外の清掃に当支部の会員が就業しております。
品川さんは、高校で社会科の教師として教鞭を執っておられましたが、或る時、左耳に違和感を覚え、診察の結果手術することになりました。
ところが、神経系統の傷害が起こり、結局左耳は聞こえなくなってしまいました。
それでも教壇に立っておられましたが、左耳の障害でトラブルが多発し、生徒に迷惑をかけると言う事で、63歳の時退職されました。
長い教員生活から離れ、空虚感の日々の中の或る日、南区に居る友達が「シルバー人材センターの会員になって、有意義な“時”を送っている」ということを聞きました。それではと早速西支部の「新入会員説明会」に足を運びました。
左耳が不自由な為、出来ればグループ就業より単独就業を希望しておりましたが、当初は「チラシ配り」に就業しました。
1年位経った時、愛宕神社の清掃をされていた会員が辞められることになり、その替わりとして就業することになりました。
「体を動かす事で健康を貰い、参拝者から声を掛けられ、とても楽しく満足しております」とおっしゃる品川さんです。
多くの参拝者や、博多湾のパノラマ見物に訪れる若いカップル等が、石段を登ってやってきます。
少しでも清清しい気持ちで参拝出来るようにと、箒を持つ品川さんです。
何時までもお元気でと祈るばかりです。