平成28年8月現在、筆耕班は10名余りの方が就業しています。
今回は平畠さんに、入会の動機や筆耕のお仕事について、お話しをうかがいました。
家にじっとしていることが苦手な夫が定年を迎え、「シルバー人材センターに行ってみたら」と提案したのは私でした。夫の付き添いのつもりでシルバーを初めて訪ねると、「ご夫婦で入会しませんか」と事務所の方から誘われ「・・・では」と申し込んだのが筆耕でした。
少しばかり書の経験はありましたが、今まで書いていたのは半紙や条幅でした。筆耕の仕事では、字は楷書でとても小さく書かねばならず、少し驚きました。当時は勉強会や指導者もなく、先輩の書いたものを見たり聞いたりし、ミリ単位での決まりごとのある封書の宛名書きを憶えました。
その後、研修会や判定会が行われるようになり、判定会で合格して仕事をさせていただけるようになりました。
封書、ハガキの宛名、のし袋、賞状の全面書きや卒業証書の名前入れ、あるいは奉書紙などを書きますが、最近は筆を使う人が少なく「きれいに書いていただいて・・・」などと言われるとうれしく、また、やりがいを感じています。
近年パソコンが発達し、どんな書体の字も表わせるようになったようですが、やはり肉筆にこだわって毎年発注してくださるお客様もあり、ありがたく思いつつ、特に結婚式の案内状や年賀状の表書きなどは、心をこめて書かせていただいております。
筆耕班は、シルバーの事務所で月1回の勉強会を開いていますが、作品の検討では、誤字、脱字はないか、筆順、線の長短、ハネや払い、1本の線が平勢か伏勢かなどについて、ルーペや辞書を使い、お互いに意見交換をして研鑽を積んでいます。
最近は、細かい字は目が疲れ、肩が凝り、年々歳を感じていますが、「書く」ことと「読む」ことが好きで今日まで続けてこられました。